疾患と治療について

末梢動脈疾患(PAD)

PADについて


PADとは?

通称、PAD(Peripheral Arterial Disease)と呼ばれる末梢動脈疾患は、心臓の冠動脈疾患と同様、血管内に脂質による沈着物が形成されて動脈が狭まり、血流が制限されることによって起こる病気です。

PADの多くは下肢で発症し、治療せずにPADを放置すると歩行が困難になり、さらに重度の段階まで進むと足先に壊疽(えそ)が生じて下肢切断に至る場合があります。またPADの患者さまは、体内の他の部位でも動脈が詰まっている事が多いため、「心筋梗塞」あるいは「脳梗塞」を起こすリスクが高い状態にあります。PADは日本でも約350万人に発症している重大な疾患です1-2

脂質などの沈着により、血管の内側が狭くなった状態
脂質などの沈着により、血管の内側が狭くなった状態
健康な血管
健康な血管

リスクのある人とは?

PADは誰にでも起こりうる病気で、日本人では65歳以上の3.4%の方に発症しています1

喫煙はPAD発症リスクを高め、非喫煙者に比べ、4倍高くなります3。また、喫煙者がPADであると診断される年齢は、非喫煙者に比べ約10年早いとされています3

糖尿病もPADの主なリスク因子となります。2型糖尿病の患者さまは、PADを発症する可能性が3~4倍高くなり3、日本人では65歳以上の糖尿病患者さまの12.7%で発症しています。他のリスク因子には以下のものがあります。

  • 肥満症
  • 高血圧
  • 運動不足
  • アテローム性動脈硬化症の家族歴
  • 高コレステロール症

PAD の症状

PADの患者さまの多くは病気の前兆となる症状が現れず、実際、PADと診断された3割程度の方は症状が全くみられません3。多くの患者さまは、PADの症状を老化現象と間違えてしまうため、症状に気づかずに病気が進行するケースがあります。

PADで最もよくみられる症状は、歩行時に現れて安静時には消える脚の痛みで、間歇性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれています。

その他の症状には以下のようなものがあります。

  • 脚のしびれ感、脱力感(力が入らない)
  • 安静時の足および足指の痛み
  • 脚/足の治らない潰瘍または痛み
  • 脚/足が冷たい
  • 脚/足の皮膚の色の変化

参考文献

  1. National Institutes of Health. Facts about peripheral arterial disease (P.A.D.). National Heart, Lung and Blood Institute Web site.
    http://www.nhlbi.nih.gov/health/public/heart/pad/docs/pad_extfctsht_general_508.pdf. Published August 2006. Accessed September 20, 2012.
  2. Statistics Bureau of Japan. http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2012np/index.htm. Accessed October 22, 2013.
  3. Norgren L, Hiatt WR, Dormandy JA, et al. Inter-society consensus for the management of peripheral arterial disease (TASC II). Eur J Vasc Endovasc Surg. 2007;33(suppl 1):S1-S75.

PI-D34710-JA

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